現代の60代・70代は、とても若々しい人が増えており、「高齢者」という言葉は似合いません。
「シニア」という言葉にはある程度自立性が感じられますが、「高齢者」「老人」「お年寄り」「おじいちゃん、おばあちゃん」といった言葉には、守られるべき社会的弱者のようなイメージがあるためか、拒否感や嫌悪感を持ってしまうようです。
「高齢者」とは何歳から?
高齢者とは、いったい何歳からを指すのか、明確に答えられる人はいないかもしれません。
国によっても、また日本国内だけでも、その定義はバラバラだからです。
国連では60歳以上を高齢者としており、国際保健機構(WHO)では65歳以上が高齢者となっています。
日本では、公的年金の受給資格が65歳からになりましたが、65歳~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者として分けています。
道路交通法では70歳を高齢者としていて、免許更新時の「高齢者講習」の義務付けを行ったり、普通乗用車に「高齢運転者標識」を付けることを推奨しています。
また、老人保健法における老人医療制度の適用年齢は、75歳以上となっています。
このようにバラバラですが、一般的に「高齢者」というと65歳以上または70歳以上の人を指すことが多いようです。
「高齢者」に拒否感を持つのは若い証拠
9月の第3月曜日は「敬老の日」ですが、毎年この日が近づくと、「敬老の日の贈り物に」などといった広告をあちこちで見かけたり、デパートやその他のショップで敬老の日向けのキャンペーンなどが催されたりします。
しかし、当の60代・70代からすると、特に敬老の日の贈り物を欲しいとは思っていません。なぜなら、自分が「高齢者」に該当するとは思っていないからです。
それなのに、お祝いの電話が来たりプレゼントが届いたりすると、なぜかショックを受けたり、わけもなく落ち込んでしまう人も・・・。(可愛いお孫さんからの贈り物は例外ですが)
また、電車やバスの中で若い人から席を譲られた場合なども、素直に感謝の言葉が出てきません。
やはり、自分が社会的に弱い立場にある高齢者と見られたことにショックを受け、落ち込んでしまいます。
しかし、このように「高齢者」に拒否感を持つのは、若い証拠とも言えます。
60代、70代になったとしても、以前と変わらずにバリバリと仕事をこなし、自分で生活費を稼ぎ、自分に合うファッションを選んで身に着け、休日は趣味に没頭して人生を謳歌しているとしたら、とても「高齢者」とか「老人」のイメージには合いません。
では、80代・90代はどうかと言うと、やはり自分を「高齢者」と思っていない人は、気持ちも生き方も若々しく、高齢者ではないと言いきれます。