シニアにとってどのような老後を送るかは、前もって考えておきたい大切な問題です。
自分以外でも親や兄弟姉妹が自宅での生活が難しくなった場合、老人ホームや介護施設への入居を検討することになるかもしれません。
そのような時のために、老人ホームと介護施設はどう違うのかを知っておきましょう。
老人ホームとは
「老人ホーム」とは、一般に高齢者が集まって生活をする施設または住宅を指します。
もともとは、病気や貧困などによって生活が難しい高齢者を収容して保護する施設として、1929年(昭和4年)に制定された救護法により作られたもので、「養老院」と呼ばれていました。
その後1963年(昭和38年)制定の老人福祉法により「老人ホーム」と改称されましたが、昨今では、介護サービスを備えたところや、自立した生活を送れる元気な高齢者を対象にしたところなど、さまざまな形態の老人ホームが作られています。
多くの老人ホームでは、自立するための生活支援や相談を行いますが、季節ごとに色々な行事やイベントが行われ、身体機能の向上や脳の活性化に役立てるほか、入居者同士のコミュニケーションを図り孤立化を防いでいます。
また、介護サービスを備えている老人ホームでは、入居者の見守りや食事・排泄・入浴の介助などが行われます。
介護施設とは
「介護施設」とは、高齢者の介護を目的とした施設を指し、介護保険による日常生活のサポートや介助などが受けられます。
要介護高齢者に適切な医療やリハビリ、身体介護、生活支援などが行われますが、施設への入居のほか、通所や訪問によるサービスを行うところも介護施設に含まれます。
また、老人ホームの中には介護施設が併設されていたり、介護サービスが提供されるところがあるなど、老人ホームと介護施設は重複する部分が多くなっています。
日常生活支援と介護が行われる「特別養護老人ホーム(特養)」などは介護施設に含まれ、介護を受けながらリハビリを行いつつ在宅復帰を目指す「介護老人保健施設(老健)」も介護施設になります。
ただし、「特別養護老人ホーム(特養)」が、介護を受けながら長期にわたって生活することができる施設である反面、「介護老人保健施設(老健)」のほうは、治療やリハビリが目的であるため、3〜6カ月で退所となるのが一般的です。