年金の満額受給が65歳からに引き上げられています。
現在はその暫定措置として「特別支給の老齢厚生年金」というものが支給されていますが、これだけではとても生活して行けるというレベルではありません。
しかも受給開始年齢は生年月日により徐々に引き上げられ、将来はこの「特別支給の老齢厚生年金」というもの自体が消滅します。
すでに60歳になった方も、これから60歳になる方も、ゆとりあるシニアライフのためには、65歳までの生活費を何とか工面しなければならない必要に迫られているといっても過言ではありません。
60歳から65歳までの生活費を確保するための方法
60歳から65歳までの間、生活費を確保するためには、次のような方法があります。
●同じ職場で引き続き働く
2013年4月1日からは、「改正高齢者雇用安定法」の施行により、本人が希望すれば同じ職場で継続して働けることになっています。
雇用条件が変わるため収入は減少する可能性がありますが、65歳までの安定収入が見込めます。
ただし、引き続き厚生年金に加入する場合、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になる「在職老齢年金」の対象になることもあるので、注意してください。
●他の会社に再就職する
現代の60歳は、まだまだ若く気力も体力も充実しているため、他の会社に再就職するという選択肢もあります。
正社員としての再雇用は難しい面もありますが、パートやアルバイト、契約社員などで再就職に成功しているシニアの方はたくさんいます。
なお、今までの会社をいったん退職して失業保険を受給する場合、その受給期間のみ、「特別支給の老齢厚生年金」が支給停止になるので注意してください。
また新しい会社で厚生年金に加入する場合、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になる「在職老齢年金」の対象になる場合もあります。
●副業や内職などで収入を得る
副業や内職などを行い、収入を得ることで生活費の足しにすることもできます。
副業や内職などの情報は、ネットや求人情報誌などから入手できますが、中には詐欺まがいのものもあるので、十分に注意してください。
副業や内職による収入を得た場合、「特別支給の老齢厚生年金」の支給停止はありません。
●年金の繰り下げ受給を利用する
65歳から受給できる年金の繰り下げ受給を申請することにより、60歳から受け取ることができます。
支給額は少し減少しますが、60歳から65歳までの生活費を確保するためのひとつの方法となります。
●貯蓄を取り崩す
退職金や今までの貯蓄を少しずつ取り崩しながら生活費に当てざるを得ないという場合もありますが、この場合は、65歳までの生活費の総額を計算し、計画的に使うようにしましょう。