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60歳になったらもらえる年金とは?

個人に送られて来る「ねんきん定期便」の中身を良く見てください。60歳からの支給額が記入されている方は、60歳から年金がもらえます。

これは「特別支給の老齢厚生年金」というもので、生年月日によってそれぞれの支給開始年齢が異なります。

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特別支給の老齢厚生年金をもらおう!

1985年に年金制度が見直されましたが、このときに老齢厚生年金の受給開始年齢が65歳に引き上げられました。

しかし、いきなり65歳からと言われても、高齢者の雇用環境も十分に整っておらず、何の準備もできていない国民にとっては非常に困ります。

そのようなことも考慮され、しばらくの間は65歳の満額受給になるまで「特別支給の老齢厚生年金」を支給し、その受給開始年齢を3年ごとに1歳ずつ段階的に引き上げることになったのです。

男性は2013年度から2025年度にかけて、女性は2018年度から2030年度にかけて、徐々に引き上げられますが、以前は女性の「定年」が55歳で受給開始年齢が男性より5歳早かった事から、女性と男性で5年の差があります。

60歳から64歳までの間だけ受け取れる「特別支給の老齢厚生年金」は、「報酬比例部分」「定額部分」「加給年金額」の3つの部分から成り立っており、もらえる額も受給できる年齢も人によりまちまちです。

 

特別支給の老齢厚生年金をもらえる人は?

特別支給の老齢厚生年金の支給対象になるのは、次の要件を満たす人です。

  • 60歳以上であること
  • 男性の場合、1961年(昭和36年)4月1日以前に生まれたこと
  • 女性の場合、1966年(昭和41年)4月1日以前に生まれたこと
  • 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること
  • 厚生年金保険等に1年以上加入していたこと

支給額がいくらになるかについては、計算方法が非常に複雑でわかりにくいため、「ねんきん定期便」を確認するのが、一番確実です。

 

「ねんきん定期便」を確認しよう

「特別支給の老齢厚生年金」の支給額は、50歳以上の方に送られてくる「ねんきん定期便」(ハガキ)に記載されています。

このハガキのオモテ面には、65歳から受け取れる「老齢年金の見込額」と、70歳まで5年間繰下げた場合に受け取れる金額が記載されています。

そしてウラ面中央の「老齢年金の種類と見込額(年額)」のところに「特別支給の老齢厚生年金」の欄がありますが、ここに数字が記載されているかどうかを確認してください。

記載されている方は「特別支給の老齢厚生年金」を受給することができます。

日本年金機構のホームページでも「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイドを公開していますので、参考にしてください。

>>「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(日本年金機構)

 

「特別支給の老齢厚生年金」を受給するための手続きは?

「特別支給の老齢厚生年金」を受給できるとわかっても、何もしなければ受給できません。

特別支給の老齢厚生年金を受け取る権利が発生する方には、受給開始年齢の3か月前に、日本年金機構から「年金請求書(事前送付用)」と年金の請求手続きの案内が届くので、必ず請求手続きを行ってください。

詳しい請求手続きの仕方は、日本年金機構のホームページでも確認することができます。

>>特別支給の老齢厚生年金を受給するときの手続き(日本年金機構)

 

※65歳になると、「特別支給の老齢厚生年金」の支給はストップし、老齢基礎年金と通常の老齢厚生年金が受け取れるようになりますが、この時には改めて請求手続きが必要になるので覚えておきましょう。
誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に、日本年金機構から「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」が届くので、必要事項を記入して年金事務所に提出します。

 

60歳から年金をもらう場合の注意事項

「特別支給の老齢厚生年金」は、あくまでも年金支給開始年齢引き上げの暫定措置として設けられたものであるため、いずれは消滅してしまうものですが、60歳から年金がもらえるものと思って一生懸命働いてきた私達には、堂々と受給する権利があります。

しかし、特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、次のような注意事項があります。

繰り上げ受給・繰り下げ受給はできない

特別支給の老齢厚生年金に関しては、60歳になる前に繰り上げ受給をしたり、少しでも増額するために繰り下げ受給するということができません。

仕事を続けた場合、年金が調整されることがある

特別支給の老齢厚生年金は、仕事をしていても受給できますが、例外もあります。

60歳以降も会社員として仕事を続け、厚生年金に加入する場合、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になることがあります。

失業保険を受給すると支給停止になる

仕事をしていて、60歳から65歳の間に失業するということもあり得ます。

ハローワークで手続きをして、失業保険を受給する場合、その間は特別支給の老齢厚生年金は支給停止になります。

失業保険の額と年金の額を比べて、多いほうを選択したほうが得ということになります。

 

通常の年金を60歳から受け取ることもできる

特別支給の老齢厚生年金は受給できないけれど、どうしても60歳から年金を受給したいという方は、「繰り上げ受給」を請求するという方法があります。

65歳への年金支給開始年齢引き上げに伴って、60歳からの「繰上げ受給」の制度も導入されたからです。
老齢基礎年金も老齢厚生年金も、60歳以降なら請求して早めに受給することができます。

ただし、「繰り上げ受給」の請求をした場合、受給する時期を1ヶ月早めるごとに0.5%ずつ減額され、その額が一生続くことになるので、注意してください。
※令和4年4月1日以降に60歳になる方は、減額率が0.5%から0.4%に引き下げられます。

年金の繰り上げ受給に関する詳細は、日本年金機構のホームページでも公開されています。

>>年金の繰上げ受給(日本年金機構)

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