人生100年時代と言われる昨今、長い老後を誰と一緒に暮らしたら幸せか、早い段階から家族と話し合っておくことはとても大切です。
子どもと暮らすのか、夫婦ふたりで暮らすのか、あるいは気ままな一人暮らしを選ぶのかによって老後の人生が大きく変わってくるからです。
かつては子どもとの同居を選ぶ人が多かった日本ですが、近年では子どもの近くに住んだり、積極的に一人暮らしを選択する人も増えています。
その他、兄弟で一緒に住んだり、気の合う人同士でシェアハウスに住むという人も増えています。
子どもと同居する
「長男または長女が家を継ぐ」という習慣が根付いていた時代では、親が高齢になったら子どもと同居するのが一般的でした。
子どもが結婚して親と同居し、可愛い孫に囲まれて暮らすことができれば、これ以上の幸福はないかもしれません。
しかし、少子高齢化の現代では実家を継ぐ人がいなかったり、子どもが独身を通したり、別の場所に新居を構えたりと生活スタイルが多様化しています。
たとえ、子どもとの同居が実現したとしても、若い世代と意見が合わなかったり、孫が懐かなかったりなど、様々な問題が浮上してくる可能性があります。
子どもの近くに住む
親世帯が住む家の近くに子供世帯が住むという「近居スタイル」を選ぶ人も増えています。
お互いのプライバシーを尊重しつつ、孫の面倒を見てあげたり、親が具合が悪い時に病院に連れて行ってもらったりと、親と子どもが相互に助け合うことができるという利点があります。
また、近くに居ることにより、親も子どもも安心感があるというのが大きな魅力です。
夫婦だけで暮らす
子どもが進学や就職で家を出た後、結婚してそのまま家を新築するなど別所帯を持つというケースも珍しくありません。
この場合、子どもたちが巣立った後の家では夫婦ふたりだけが残され、お盆やお正月などに子どもが孫を連れて遊びに来るという形になります。
また、もともと子どものいない家庭では、老後も夫婦だけで暮らすということになります。
夫婦だけでも快適に生活するには、お互いに干渉し過ぎず家事を分担して助け合うなどの工夫が必要です。
ひとりで暮らす
老後はひとりで暮らすことを選択するシニアの方が増えています。
子どもがいない夫婦の場合、いずれはどちらかが「おひとりさま」になってしまうわけですが、子どもがいても子どもとの同居を望まず、「ひとりで気楽に暮らしたい」と考える人が多いからです。
しかし、高齢になってからの一人暮らしは「老後資金が不足したらどうするか」「病気になり介護が必要な状態になったらどうするか」などの不安やリスクが伴います。
現在では、さまざまな介護サービスや高齢者のための見守りサービスなどがあるので、利用方法について知っておくことが大切です。
シェアハウスで暮らす
「シェアハウス」とは、個室があると同時にリビングやキッチンなど、入居者同士が交流出来るスペースのある賃貸住宅のことです。
若者向けのシェアハウスはよく知られていますが、近年では高齢者向けのシェアハウスも増加しており、新しい住まいの形として注目されています。
敷金や礼金がなく、通常の賃貸住宅よりも家賃が安いため、無理のない生活設計を立てることができます。
入居者同士で助け合うこともできるので、一人暮らしが不安な高齢者には好評ですが、基本的に自分のことは自分でやらなければならないため、介護が必要な場合は入居の対象にならないというデメリットもあります。