田舎暮らしがブームになったのは1980年代と言われますが、都会の喧騒から離れ自然豊かな田舎でのんびりと暮らしたいという希望を持つ人が、その後も増え続けています。
しかし、シニア世代が老後の田舎暮らしを考える場合、そのメリットとデメリットを冷静に分析・検討してから決定する必要があります。
【老後の田舎暮らし・メリット】
●豊かな自然に恵まれている
田舎暮らしの最大のメリットとも言えるのが、豊かな大自然に恵まれているということです。
ビルが建ち並び、行きかう車の騒音の中で何年も暮らしていると、木々の緑や野鳥のさえずりがとても新鮮で貴重なものに思え、安らぎさえ感じます。
●地価が安い
都会で戸建て住宅を購入するとなるとかなり高額になりますが、地価の安い田舎なら広い庭付きの家を持つのも不可能ではありません。
●時間に追われない
都会では分刻みの生活を余儀なくされがちですが、田舎では心を急かせるものもなく、ゆったりとした時間が流れています。
時間に追われることなく、マイペースの生活を楽しむことができます。
●生活費が安い
一般に田舎では物価が安いため、生活費も安く抑えることができます。
家庭菜園をしたり、手作り品を増やしたりすれば、さらに生活費は安くなります。
●空気や水がおいしい
工場や車の排ガスがない田舎では、空気や水が特においしく感じられます。
●本来の人間性が取り戻せる
都会の喧騒の中で多くの人が本来の人間性を見失いがちな現代ですが、自然との触れあいや田舎の人々との交流により、取り戻すことができます。
【老後の田舎暮らし・デメリット】
●仕事が少ない
年金だけで老後の生活費が賄える場合は心配ありませんが、やはり少しでも収入が欲しいところです。
しかし、田舎ではどうしても仕事が少ないというデメリットがあります。
●公共交通機関が不便
公共交通機関を利用しようと思っても、駅やバス停が近くになく、移動するには自家用車に頼らざるを得ないというデメリットもあります。
●大きな病院がない
病気になった場合、医療機器が充実した大きな病院が近くにないというのも田舎暮らしのリスクのひとつです。
特に持病のあるシニアの方にとっては、不安な生活を強いられることになります。
●銀行や郵便局が近くにない
お金の入出金や送金、郵便物の投函など、銀行や郵便局が近くにないため、遠くまで出向かなければなりません。
●スーパーマーケットやコンビニが近くにない
食料品や生活日常品を購入するのに必要な、スーパーマーケットやコンビニが近くにないというのも田舎暮らしのデメリットと言えます。
●その土地のしきたりや風習がある
田舎には、その土地独特のしきたりや行事、風習などがあるため、なかなか溶け込めないというデメリットもあります。