シニアにとって骨折は寝たきりの大きな原因になるため、日頃から十分に注意する必要があります。
さらにひとつの骨折がきっかけとなり、背骨や大腿骨(太ももの骨)などが次々と骨折してしまう「ドミノ骨折」というものもあるので、こちらも要注意です。
ドミノ骨折とは?
シニアにとって骨折のきっかけになるのは、室内や玄関、庭先などで何かにつまづいて転んだり倒れたりした時が多くなっています。
足や手首などを骨折しがちですが、ひとつの骨折をきっかけに背骨や大腿骨(太ももの骨)などが次々と骨折してしまうことがあります。
しかも骨折しているのにまったく痛みが出ないケースもあり、気づいたときには身体が動かなくなり、寝たきりになってしまうこともあります。
このようにひとつの骨折が引き金になり、次々と連鎖的に骨折して行くことを「ドミノ骨折」と言っています。
ドミノ骨折の予防法
老後を楽しく生きるためにも、ドミノ骨折はぜひとも避けたいものですね。次のようなことを参考に、日頃から予防するようにしましょう。
●骨量を減らさない
ドミノ骨折の大きな原因のひとつが、骨がスカスカになる「骨粗しょう症」です。
骨量が少ないため、ちょっと転んだだけでも骨折しやすくなり、気づかぬうちに背骨や大腿骨が骨折していることもあります。
このようなことを避けるには、カルシウムを含む食品(小魚類・乳製品・海藻類)をしっかり摂り、骨量を減らさないようにすることが大切です。
●骨を強くする
カルシウムを含む食品を多めに摂るとともに、運動などである程度の負荷をかけることにより、骨を強化し骨折を予防することができます。
ウォーキングやジョギング、スクワット、縄跳び、階段の昇り降りなど、自分に合った方法で継続的な運動を行い、骨を強くしておきましょう。
●筋力を鍛えておく
骨の周囲にあって、骨の動きをサポートしているのが筋肉です。
そのため、筋肉を強くしておくことにより、いざという時に骨折を防ぐことができます。
腕立て伏せやスクワット、腹筋運動など無理のない程度にできる筋トレ方法を選び、筋肉を鍛えておきましょう。
●反射神経を鍛えておく
咄嗟の判断ができるように、反射神経を鍛えておくことにより、骨折の危険性を避けることができます。
そのためには、日頃から趣味のスポーツで汗を流したり、積極的に家事をするなど、五感と身体をフルに動かすようにする時間を持つことが大切です。
●バランス感覚(平衡感覚)を鍛えておく
バランス感覚が衰えると、ちょっとしたことでよろめいたり、つまづいたりして骨折しやすくなります。
杖に頼る前に、バランス感覚をしっかりと鍛えておきましょう。
そのためには、両手を腰にあてて目を閉じ、片足を上げる「閉眼片足立ち運動」が効果的です。
最初は何かにつかまって10秒ほど立つところから初め、徐々に20秒、30秒と延ばして行きましょう。