年金の満額受給は65歳からになっていますが、少しでも早くもらいたいという方は「繰上げ受給」を選ぶことができます。
また、65歳以降も仕事を続けるので遅くても良いという方は「繰り下げ受給」を選ぶことができます。
繰上げ受給にも、繰下げ受給にもそれぞれメリットとデメリットがあるので、よく検討した上で年金を何歳から受け取るかを決めましょう。
年金の繰上げ受給と繰り下げ受給
●繰上げ受給のメリットとデメリット
繰り上げ受給は、老齢基礎年金を65歳になる前から受給することです。繰上げ受給のメリットとデメリットとして次のようなことがあげられます。
【メリット】
・60歳からの収入が不安定な場合、年金を生活費に当てることができる。
・早めに受給することにより、ライフプランを立てやすくなる。
【デメリット】
・受給できる年金額は、1ヵ月早めるごとに0.5%の減額率を乗じた率が減額される。
・一度繰り上げの請求をすると減額支給が一生続く。
・請求後に重い障害状態となっても、障害基礎年金を受給することができない。
・寡婦年金は受給できない。
・配偶者が死亡した場合、遺族厚生年金との併給ができない。
●繰り下げ受給のメリットとデメリット
老齢基礎年金の受給は、最大で5年間、受給開始を遅らせることができますが、これが繰り下げ受給です。繰り下げ受給にもメリットとデメリットがあります。
【メリット】
・受給できる年金額は、1ヵ月遅らせるごとに0.7%の増額率を乗じた額が支給される。
・増額した年金額は、その額が一生続く。
・請求後に重い障害状態となってた場合、障害基礎年金を受給することができる。
・寡婦年金を受給できる。
・配偶者が死亡した場合、遺族厚生年金との併給ができる。
【デメリット】
・長生きしないと損をすることになる。
※年金を繰り上げ受給した場合と、繰り下げ受給した場合の具体的な額はいくらになるのかについては、生年月日によっても異なり、計算方法もかなり複雑です。
年金を何歳から受給したらよいか迷っている方は、お住まいの地域の年金事務所の相談窓口で、相談してみましょう。
なお、60歳から受け取れる「特別支給の老齢厚生年金」については、繰り下げ受給の制度はないので、受給を遅らせれば増額されるというものではありません。受給できる年齢になったらしっかりと受給しましょう。