命の回数券・テロメアを伸ばすと寿命が延びる?

60代、70代になると、身近な人の訃報に接することが多くなります。そこでふと考えてしまうのが「自分はあと何年生きられるんだろう」ということです。

健康で長生きすることができれば申し分ありませんが、どうやらその秘密の鍵は「テロメア」にあるようです。

命の回数券と呼ばれる「テロメア」は、遺伝子の端に存在するDNA配列ですが、細胞の老化や生物の寿命と大きな関連があることが分かって来ました。そして、一説では「テロメアを伸ばすと寿命が延びる」とされています。

命の回数券・テロメアとは?

あらゆる生物は、細胞分裂を繰り返しながら成長して行きますが、無限に繰り返すわけではなく、だんだん老いて行き、やがて命の終わりを迎えます。

人間もまた1人の例外もなく、このようなプロセスを辿るわけですが、それがなぜなのかは未だに完全に解明されていません。

しかし、その謎に迫ろうとしているのが、ノーベル賞生物学者:エリザベス・ブラックバーン博士らによる「テロメア」の研究です。

染色体の端っこにあるテロメアは、細胞が分裂するたびに短くなり、それ以上短くなれないところまで来ると細胞は分裂を停止することがわかりました。この状態が「細胞老化」と呼ばれ、徐々に個体が老化して行き、やがて死に至ると考えられています。

このようにテロメアがだんだん短くなって行くと同時に、命も終わりに近づいて行くことから、テロメアは「命の回数券」とも呼ばれています。

 

テロメアと寿命の関係

テロメアが短くなって行くと寿命の終わりが近づくという事なら、ひょっとしてテロメアを伸ばすことにより寿命を延ばすこともできるのではないかといった推測から、現代ではさまざまな研究が行われています。

1960年代には、ヒトの体細胞組織から取り出した細胞による研究が行われ、ある一定の分裂回数に達すると細胞は増殖しなくなることが報告されました。

この現象は、発見者の名前から「ヘイフリック限界」と呼ばれています。

では、ヒトの細胞は何回まで分裂できるのだろうかということになると、「ヘイフリック限界」では「50」となり、最大寿命は約120年だそうです。

病気も何もしなければ、120歳くらいまで生きられるように、遺伝子にプログラムされているという事ですが、テロメアを伸ばすことができれば、さらに寿命を延ばすことができるかもしれません。

高齢になっても細胞分裂が活発に行われれば、老化を遅らせることができたり、ガンなどの病気を防ぐことができたりと、まさに不老不死の世界に近づく可能性があります。

また、エリザベス・ブラックバーン博士らの研究によると、テロメアの伸長は「テロメラーゼ」と呼ばれる酵素によって行われることがわかりました。

そして、日々の生活習慣によりテロメアを伸ばして健康寿命を延ばすこともできるとしています。それには、毎日の食事や運動、睡眠、ストレスの有無、瞑想などがかかわっているそうです。

テロメラーゼを増やしてテロメアを伸ばす方法については、さらなる研究が続けられています。
興味のある方は、エリザベス・ブラックバーン博士の著書を読んでみてください。

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